歯周病の重症化で顎の骨吸収が進んだり、歯を失ったまま放置した結果、顎の骨が減少したりして、歯を支える歯槽骨という骨は徐々にやせていきます。
インプラント治療は土台の人工根をしっかりした骨に埋めて支える仕組みなので、骨の厚みや高さが足りないと、インプラントを埋入しても安定しません。
それは、最初の検査の段階から判断がつきます。
必要とする骨量が少ない場合などは、骨誘導再生法(GBR)という方法で治療します。
この方法では、骨をつくりたいところに人工的に歯根膜でスペースをつくり、後に新しい骨に置き換わる補填材を入れて骨を造成することができます。
また、さらに骨量が必要な場合などには、顎の他の部分の骨を移植するといった方法があります。
レントゲンやCT検査の結果、骨不足と判明されたら、基本的に骨造成の対策を講じてからインプラント治療へ進みます。
そこで、骨不足の対策として骨造成法を行います。それには次の2つの方法があります。
①骨量不足が少量の場合、先にインプラントを埋入し、そのまわりに骨補填材を入れて、骨が再生されるまで寝かせておきます。
補填材が新しい骨となってインプラントを支えます。
②抜歯後、骨を増やしたい部分を人工膜で覆い、そこに人工の骨補填材あるいは患者さま自身の顎の骨を詰めて、骨が再生されるのを待ちます。
再生が完了したらインプラントを埋入します。
患者さまの骨の状態によって、骨誘導再生法(GBR)を行うのか、ほかの方法(ソケットリフトやサイナスリフトなど)が適しているのかなど選択肢を考慮する必要があります。
実際、それでもインプラント治療が可能かどうかは、精密検査を行ってからのご相談になります。